築地の波除神社は魚市場で知られる場所にあり、ここで3年に一度、大規模な本祭が開催されます。
この神社の創建は江戸時代初期にさかのぼり、その時、波風を鎮める「波除」の神徳に感動した人々が、雲や風、そして万物を支配する聖なる生き物である龍、虎、獅子を模した巨大な神輿を奉納することから始まったと伝えられています。
現在の祭礼では、本祭の際には黒檜で作られた巨大な「天井大獅子」と呼ばれる雄の獅子(高さ2.4m、幅3.3m、重さ1トン、1990年に奉納)と、木彫りの雌の「お歯黒獅子」(高さ2.15m、幅2.5m、重さ700kg、2002年に奉納された)の二つの神輿が町内を練り歩きます。
特に「お歯黒獅子」は、女性だけで担がれる区間もあり、多くの観客が集まり声援を送ります。
つきじ獅子祭2024いつ?時間や場所に日程など基本情報
東京都中央区築地に位置する波除稲荷神社で、夏の季節の始まりを祝う「つきじ獅子祭」が開催されます。
この祭りでは、伝統的な江戸里神楽の奉納や神輿の渡御祭などが行われ、週末には沿道に多くの屋台や露店が立ち並び、地域が一層盛り上がります。
「災難を払い、波を乗り越える」ことから名付けられた波除稲荷神社のつきじ獅子祭は、訪れてみる価値があります。
この機会に足を運んで、特別な体験をしてみてはどうでしょうか。
【開催日程】
2024年6月7日(金)~6月10日(月)
【場所】
築地・波除稲荷神社
東京都中央区築地6丁目20-37
【スケジュール】
■2024年6月7日(金) 11:00 鎮花祭(ちんかさい):厄病除け「百合の花」神事
18:00 宵宮祭
■2024年6月8日(土)
終日 江戸里神楽
■2024年6月9日(日)神社千貫宮神輿渡御祭
9:00 宮出し(築地全町ご巡行)
15:30 宮入り
2024年6月10日(月)
15:00 大祭式
つきじ獅子祭2024屋台など露店の出店ある?
つきじ獅子祭の際には、6月8日(土曜日)と6月9日(日曜日)に、多数の屋台や露店が設置されます。
波除稲荷神社周辺から晴海通りや新大橋通りにかけて、たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼き鳥、から揚げ、かき氷、クレープなどの定番の食べ物屋台が並びます。
さらに、食べ物だけでなく金魚すくい、キャラクターのお面を売る屋台、くじ引き、ボールすくいなど、家族で楽しめる縁日ゲームの屋台もあります。
祭りの最終日には早めに閉店する屋台もあるため、特に気になるお店があれば早めに訪れることをお勧めします。
これらの屋台や露店が並ぶことで、つきじ獅子祭はさらに活気づき、訪れる人々に喜びを提供します。
つきじ獅子祭2024アクセス
【場所】
築地・波除稲荷神社
〒104-0045 東京都中央区築地6丁目20-37
【電車】
・営団日比谷線「築地」駅から徒歩7分
・都営大江戸線「築地市場」駅から徒歩5分
【車】
首都高速都心環状線「銀座インターチェンジ」より約600m
つきじ獅子祭2024駐車場ある?
専用駐車場は無いので近くのコインパーキングの利用となります。
いくつか紹介します。
【リパーク築地場外臨時駐車場第2】
〒104-0045 東京都中央区築地5丁目2-1
【築地川第一駐車場】
〒104-0045 東京都中央区築地4丁目16-1
【パークアベニュー築地第1】
〒104-0045 東京都中央区築地6丁目10-6
つきじ獅子祭2024交通規制
つきじ獅子祭2024では交通規制があります。詳細は以下より確認してください。
交通規制を確認する>>
つきじ獅子祭の歴史に限定御朱印や見どころなど
築地にある波除稲荷神社で開催される「つきじ獅子祭」は、3年に一度の「本祭」と、その他の年に行われる「陰祭」から成り立っています。2024年は「本祭」の年となります。
「本祭」では、神社千貫宮神輿と天井大獅子(雄獅子)、または弁財天お歯黒獅子(雌獅子)の二基が担がれます。
特に女性のみで担ぐ「お歯黒獅子」は築地の特色ある名物として親しまれています。
一方、「陰祭」の年には土曜日には子供神輿の連合渡御が、日曜日には本社大神輿と獅子頭神輿のうち一基または二基が渡御します。
波除稲荷神社の祭りは、約360年前から夏の疫病除けの儀式として続けられています。
江戸時代、江戸湾の埋め立て中に波の影響で工事が難航しましたが、ある夜、光を放つ稲荷大神の神体が発見され、社殿を建てて祀ったところ、波が収まり工事が進展しました。これが「波除神社」と名付けられた由来です。
祭りの起源は、龍、虎、獅子の巨大な頭を模した神輿を担いで回ったことにあります。
境内には中央区の文化財にも指定されている獅子頭や青龍、白虎、獅子殿などがあり、その迫力ある造形を見ることができます。
波除稲荷神社は災難や厄除け、商売繁盛、工事安全の祈願で知られています。ご利益を願いながらお参りしてみてはいかがでしょうか。
神社の参道には、厄払いの茅の輪が設けられており、訪れる人々は茅の輪くぐりを行うことができます。
また、6月7日(金)から10日(月)にかけてのつきじ獅子祭期間中には、限定の御朱印が用意されています。
これは数量限定なので、早めに手に入れることをお勧めします。
つきじ獅子祭とはどんな祭り?
江戸時代初期の萬治二年に創建された際、波風を止める「波除」の神徳に感銘を受け、雲を従える「龍」、風を従える「虎」、一声で万物を従える「獅子」の巨大な頭を模した神輿を担いで回ることから、「つきじ獅子祭」が始まりました。
江戸時代中期に編纂された「東都歳時記」には、獅子頭を担ぎ町を渡るこの祭りの様子が記されており、既に広く知られていたことがわかります。
大正時代、現在の勝鬨橋がまだ建設される前(昭和十五年完成)、築地六丁目の交差点から大川辺りにかけて夫婦獅子頭が神輿のように配置されました。
祭りの時刻になると、獅子は担ぎ手によって静かに持ち上げられ、あおりは少女たちが張り伸ばします。
木遣りの鳶頭連中が先導し、神社前でお祓いを受けた後、小田原橋へ向かい、荒々しいもみ担ぎで町を練り歩きました。
行列の最後には白木の神輿が担がれ、宮司や神職、旗が続きました。
関東大震災でほぼ全ての獅子頭が失われましたが、昭和二年に新しい宮神輿が完成し、神輿祭りが継続されました。
四尺一寸の宮神輿は重文級の評価を受け、東京歳時記の夏の表紙を飾るほどになりました。
昭和五十八年、石川県鶴来町の獅子頭彫刻師・知田清雲氏が大きな獅子頭を製作した記事が新聞に掲載され、宮司は彫刻師の工房を訪れ獅子頭の復興を依頼しました。
平成二年、黒檜一木造りで、高さ2.4メートル、幅3.3メートル、重さ1トンの雄「天井大獅子」が再興されました。
平成九年には新調された担ぎ棒で四千人によって担がれました。
平成十四年には雌の「お歯黒獅子」が木彫りで再興され、女性のみの担ぎ手区間も設けられました。
平成二十四年には、江戸時代以来失われていた龍虎の頭が復興し、その年には神社創建以来初めて神社千貫宮神輿と雌雄一対の大獅子全てを担いでの巡行が行われました。
つきじ獅子祭は、伝統的な獅子頭に加えて昭和に完成した千貫宮神輿、平成に再興された雄雌の大獅子を合わせた形で、江戸随一の祭りとしてこれからも続けられるでしょう。
つきじ獅子祭2024まとめ
6月10日には大祭式が行われ、その日に近い金曜日から日曜日にかけて様々な祭りが開催されます。
「陰祭り」と呼ばれる行事では、日曜日に神社千貫宮神輿、天井大獅子(雄獅子)、弁財天お歯黒獅子(雌獅子)の中から一基が選ばれて担がれます。
また、三年に一度開催される「本祭り」では、神社千貫宮神輿と雄または雌の獅子の二基が同時に担がれることになります。
祭り期間中、神社から大通りにかけては出店が並び、祭りの賑わいをさらに盛り上げます。
大祭の開始日から、境内には夏越し大祓い用の茅の輪が設置され、大祓式が行われるまで参拝者は茅の輪くぐりを行うことができます。
大祓いを希望する方には、神札が授与されます。