荘厳かつ厳かな雰囲気で執り行われる大覚寺の観月の夕べ。
約1200年前に起源を持つ歴史あるイベントです。
約1200年前に、嵯峨天皇(西暦809年に即位)が中秋の名月の際に、大沢池に船を並べて楽しまれたことが、この伝統の始まりとされています。
この船遊びは、後に宮廷の行事として確立されました。
大沢池は、日本最古の庭園であり、平安時代に造られた歴史的な場所です。
大覚寺の観月の夕べの詳細を見ていきたいと思います。
大覚寺 観月の夕べの読み方
意外に読み方を知らない方も多いようなので、おさらいとして。
だいかくじ かんげつのゆうべ
と読みます。
大覚寺 観月の夕べの開催情報
毎年、中秋の名月に合わせて開催されています。
【日程】
2023年9月29日(金)~10月1日(日)
【時間】
17時30分~21時(20時30分受付終了)
観月の夕べの開催場所
観月の夕べとは?
大沢池という場所で催される行事で、この場所は唐の洞庭湖をイメージして作られました。 嵯峨天皇が船の先端に架空の動物を配置し、中秋の名月の夜に宮廷の娯楽として船遊びを行ったことが、この行事の源流とされています。
大覚寺の歴史
嵯峨天皇の離宮として設立された建築物が、その後、空海によって真言宗の大本山に変わりました。 大覚寺になったのは、約1200年前の876年(貞観18年)。
この格式の高い寺院は、明治時代までずっと皇族に関係する人々が住職として携わっていました。 また、同時に「いけばな嵯峨御流」の家元も兼ねています。
大覚寺 観月の夕べの見どころチェック
大沢池は、平安時代からほぼ姿を変えることなく存在し続けているとされています。
9月の中旬、水面が鏡のように穏やかで、美しい月がその姿を映し出します。
この「観月の夕べ」では、小さな船に乗って池をゆったりと巡ることが可能です。
月を眺めながら船に揺られると、かつて平安時代の貴族たちも同じように楽しんだのかと思いを馳せることができます。
約20分にわたる船の旅で、大沢池をゆっくりと一周します。
大覚寺 観月の夕べの船について
船に乗る時間帯は、夕方5時台、6時台、7時台、8時台の4つに分かれています。
この特別な「月観」のイベントでは、月をゆっくり楽しむためには、月が上り、周りが暗くなる7時台か8時台の船に乗るのが最適です。
夕方5時台と6時台はまだ明るさが残る時間帯で、この時間帯は池の景色を楽しむことができます。 大沢池には立派な蓮の花が繁茂しており、時折花が咲くこともあります。ただし、暗くなるとこれらの花を見ることはできません。
船には「龍頭舟」と「鷁首舟」という2つの種類があります。
大沢池は、中国の洞庭湖をモデルにしたもので、中国の皇帝は洞庭湖に想像上の動物の頭を持つ船を浮かべて水上で楽しんでいました。
この文化が日本にもたらされ、龍頭舟と鷁首舟による水上の娯楽が宮廷で行われるようになりました。
ちなみに、「龍頭舟」は龍の頭を意味するのでわかりますが、「鷁首舟」の「鷁」はよく分からないかもしれませんね。
「鷁」とは中国の伝説上の水鳥で、どんな強風にも負けずに飛び立つことができると言われています。 そのため、この鷁の船首につけることで、船が沈むことはないとされ、安定感をもたらすという意味があるようです。
大覚寺 観月の夕べのチケットについて
特別チケットが用意されていて、事前申込制となります。
大覚寺の龍頭鷁首舟での大沢池遊覧と五大堂観月席でのお抹茶をセットで楽しむことができます 特別チケットの料金は、5000円となります。
ちなみに、当日券については、各日17時30分より、特別チケット引換所にてキャンセル待ち受付がされる予定となっています。
特別チケットの申し込みは以下となります。
大覚寺 観月の夕べは混雑するの?
15時頃から、4つの時間帯(17時台、18時台、19時台、20時台)のチケットが販売されています。
チケットカウンターでは、チケットを求める人々の列が形成されていました。
月が最も美しい19時台のチケットは人気で、迅速に売り切れとなりました。 19時台を狙うのであれば、できるだけ早めに購入することをおすすめします。
その他の時間帯のチケットは、午後4時ごろでも入手可能でした。
大覚寺へのアクセス
駐車場の数が少ないので、基本的に公共交通機関を利用することをオススメします。 【電車】
JR「嵯峨嵐山駅」から徒歩約17分。
京福「嵐電嵯峨駅」から徒歩で約23分
【バス】
京都市バス・京都バス「大覚寺」下車
【車】
駐車場は車30台(2時間:500円)のみです
観月の夕べちょっとしたアドバイス
船の切符を確実に手に入れるためには、早めに大覚寺に訪れることがおすすめです。
そうすると、乗船までの待ち時間が発生することになります。
大覚寺の敷地内でノンビリと過ごす間に、時と共に変わっていく景色を楽しむことも素晴らしい体験でしょう。
また、大覚寺周辺にはお抹茶カフェ、お豆腐店、美味しい地元料理を提供する飲食店など、リラックスできる場所がたくさんあります。
軽食を楽しみつつ散策することで、独特の雰囲気を満喫することもできます。