春の訪れを告げるイベントとして有名な東大寺のお水取り。テレビでその壮大な様子をご覧になった方もいるでしょう。
東大寺のお水取りは、そのスケールや迫力だけでなく、由来や歴史に触れるとさらに感動が深まります。
「お水取りが終わると春がやってくる」とも言われ、春を呼ぶ行事としても知られています。
今回はその歴史や行事の内容についてご紹介しましょう。
東大寺お水取り(修二会)2024いつ?時間や場所など基本情報
2024年には1273年目の開催となる修二会は、約1か月にわたる長期間の仏教的な行事であります。
特に注目されるお水取りとお松明は、2024年の3月1日から3月14日まで行われます。
3月の1日から11日、そして13日には、夜の7時頃から20分ほどの間、重さ40キログラム、長さ7メートルの松明が10本、回廊を疾走します。
3月12日には、翌日の未明に行われるお水取りに先駆けて、19:30頃から約45分間、特別な籠松明が実施され、この日だけ松明の数が11本に増え、大きさも他の日に比べて大きくなります。
最終日の3月14日は、夜の6時半頃から約10分間、翌15日の満行に備え、お松明が短時間で次々と掲げられます。
これらの催しはいずれも二月堂で行われます。
また、お松明の火の粉に触れることで1年間の健康と幸福が約束されるとされ、このために多くの観光客が訪れる東大寺二月堂の修二会は、大変な人気を博しています。
【行事名】
修二会
【開催期間】
2024年3月1日~3月14日
【開催場所】
東大寺二月堂
奈良県奈良市雑司町406-1
【拝観料】
無料
東大寺お水取り(修二会)2024お松明
2月20日から月末までの「前行(別火)」
3月1日から14日までの「本行」
実は、約1か月間にわたって様々な行事が行われています。
3月の初めに始まる「本行」として知られる特別な儀式があります。
この時期には、毎晩19時に大きな鐘の音が鳴り響き、それを合図に松明に火がともされます。
この火とともに、深夜まで世界の平和と人々の幸福を願う祈りが捧げられるのです。
●3月1日~11日
19:00~19:20頃
お松明 10本
●3月12日
19:30~~20:15頃
初夜大松明(籠松明)※お水取り 11本
●3月13日
19:00~19:20頃
お松明 10本
●3月14日
18:30~18:40頃
尻つけ松明 10本
東大寺お水取り(修二会)2024ツアーある?
あります。ただ、人気の行事なので直ぐに埋まってしまう可能性もあります。
空いていればラッキーですね。いくつか紹介します。
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東大寺お水取り(修二会)2024見学はどこでするべき?
3月12日は、二月堂を支える諸講社のメンバーが訪れる特別な日であり、この日は公開参拝が行えません。
また、二月堂周辺の展望エリアについては、訪れる人数が規定数に達すると、入場規制がかかることがあります。
この地域では、特にお松明を楽しむことができる場所が2箇所設けられています。
【二月堂の舞台下の芝生および二月堂前の広場】
3000~4000人が立ち見できる広い広場。ただし、人数制限をする場合もあります。
【第二拝観所】
200m位離れていますが、全体像がよく見えて幻想的ん光景を見学できます。
東大寺のお水取り(修二会)へのアクセス
【場所】
東大寺二月堂
奈良県奈良市雑司町406-1
【電車】
近鉄奈良線 奈良駅が最寄り駅です。
奈良駅からは登大路町を東へ歩き約20分
【バス】
JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バスに乗車します。
東大寺大仏殿・春日大社前下車後、徒歩約5分
【車】
名神高速道 京都南ICから京奈和自動車道経由で約60分
西名阪自動車道 天理ICから国道169経由で北へ約30分
東大寺のお水取り(修二会)の駐車場
東大寺のお水取り(修二会)の専用駐車場はありません。
近くの有料駐車場を利用することになります。
いくつか紹介します。
【奈良登大路自動車駐車場】
〒630-8213 奈良県奈良市登大路町80
収容数:284台
会場まで徒歩で約8分
【L PARK興福寺前第2】
〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1120
収容数:70台
【タイムズ奈良中央】
〒630-8227 奈良県奈良市林小路町8
収容数:97台
東大寺のお水取り(修二会)2024交通規制
交通規制の時間帯:17:00頃~21:00頃
12日に奈良公園周辺や東大寺周辺道路(369号線)の交通規制、二月堂付近への入場規制があります。
東大寺のお水取り(修二会)2024見どころや魅力
修二会における主要な魅力は、3月12日に実施される特別な水取り式と、その夜に繰り広げられる特大の松明行事です。
水取り式は、3月13日の未明、つまり12日の深夜1時30分に行われます。
特大の松明は、夕方7時30分頃からその姿を現します。このお祭りでは、初日と最終日を除く毎晩、通常サイズの松明が10本用いられますが、12日のみ特別な大きさの松明が用いられることが注目点の一つです。
これらの松明による祈りは、一般的なものと同様の効果があるとされています。
この大松明の壮大さを目の当たりにすると、その迫力に圧倒されることでしょう。
また、暗闇を切り裂く火花の美しさは、幻想的な雰囲気を醸し出し、観客からは歓声や拍手が毎年上がっています。
この素晴らしい光景をぜひ直接体験していただきたいと思います。
東大寺のお水取り(修二会)2024お松明のご利益
たいまつから飛び散る火の粉に触れることで「健康で平穏な生活」や幸せを手に入れられるとされています。
さらに、燃え残りの杉の枝を護符として持ち帰ると、幸運が訪れるとも言われているようです。
これを実践する人が多数いるとのこと。
深夜に行われる水取り式は、にもかかわらず、毎年多くの人々で賑わう、非常に人気のある行事です。
この行事は、国内のメディアにも頻繁に取り上げられるほど、注目されています。
この行事を訪れる機会があれば、是非、盛り上がりを体験してみてください。
東大寺のお水取り(修二会)2024混雑状況
毎年3月12日に開催される水取り祭りは、注目のイベントであり、20,000人から30,000人の観光客が集まります。
年中無休で、例年通り多くの人出が見込まれるため、今年も人々で賑わうことが予想されます。
週末や祭りの初日、12日、そして最終日に比べ、平日は比較的人出が少ない傾向にあります。
それでも、松明の光を間近で体験したい方は、少なくとも開始1時間前には現地に着くよう、時間に余裕を持って出かけることを勧めます。
混雑を避けたい場合は、平日の訪問が良い選択となります。
東大寺のお水取りとは
東大寺で行われる伝統的な式典である「お水取り」は、本来「修二会」と称される仏教の祭事です。
この行事は「修二月会」とも呼ばれ、伝統的には古い暦の2月の初めから中旬にかけて実施されていたもので、この時期はインドの新年に相当します。
そういうわけで、この行事は仏への奉納行為として位置付けられていますが、修二会を行うのは日本特有の習わしだと言われ、その正確な起源は明らかではありません。
特に東大寺での「お水取り」として知られる修二会は、奈良にある薬師寺や法隆寺、長谷寺などの歴史的な寺院でも執り行われていますが、その中でも東大寺での式典は規模が大きく、毎年数多くの参拝者を集めています。
東大寺の修二会とは
東大寺だけでなく、修二会は本尊への罪の告白と悔恨の儀式として執り行われています。
罪や過ちを認め、それを本尊に告げて反省すること、そして一般の幸福を祈願することが、修二会の本質です。
特に東大寺で行われる修二会は、「十一面悔過」とも称され、二月堂に安置された十一面観音への懺悔の行為を意味します。
8世紀に始まり、自然災害や疫病、内乱から国と民を守り、幸福を願う宗教的な目的で設けられたこの儀式は、断絶することなく継続されてきた不変の実践とされています。
その始まりから、平家による攻撃を受けた際や、太平洋戦争の期間及び戦後の混沌とした時期でも、修二会は決して中断されることはありませんでした。
これらの事実は、逆境の中でも特に、信仰心深い人々が幸福を願い続ける、その不屈の信念と姿勢を物語っています。
東大寺お水取り(修二会)の歴史と由来
「お水取り」と「お松明」として伝統的に語り継がれる行事は、1273年間も途切れることなく継続されている歴史ある儀式です。
この伝統は、752年に始まり、多くの自然災害や流行病を超えて、壮大な歴史を築いてきました。
この行事は、一般には公開されていない「二月堂の十一面観音菩薩」への奉納として行われ、参加する僧侶たちは自己の行為を振り返りつつ、社会の平和や繁栄、豊作を祈願しています。
儀式に臨む僧侶、練行衆は、2月下旬からの清浄な合宿生活を経て、3月1日から二月堂にて「十一面悔過」の祈りを一日六度捧げます。
特に注目される「お松明」は、元々は二月堂への行進を照らすための小さな灯りでしたが、江戸時代以降、華やかなパフォーマンスへと変化し、現代では壮観な光景を提供しています。
また、「お水取り」は、二月堂の近くにある閼伽井屋という井戸から水を汲み上げる儀式で、この習わしは遅れて集まった遠敷明神が湧き水を差し出すことで謝罪したという伝説に由来しています。
お松明が火祭りの印象を与える一方で、実際にはこの行事は練行衆の厳しい修業によって成り立っており、その起源や背景を学ぶことで、より深い畏敬の念を抱くことができるでしょう。
東大寺のお水取り(修二会)2024まとめ
今度は、奈良市にある雑司町で開催されるお水取り祭りについてご紹介しました。
テレビ放送でも取り上げられるくらい人気のあるこのイベントは、現地でその迫力を直接体感することをお勧めします。
訪れる際には、まだ肌寒い季節ですので、暖かくして出かけるようにしましょう。